海外の転職において「寿司職人」が流行っているのをご存じでしょうか。
以前であれば、職人技や長年の経験が不可欠なイメージがありますよね。でも、実は未経験からでも挑戦できるチャンスがいっぱい。
とくに海外での寿司職人は高時給のため、右肩あがりの需要となっています。
そこでここでは、これから海外転職を目指したい方のために「寿司職人」を目指す方法や転職方法などをまとめてご紹介します。
これから海外進出を目指す方はぜひ参考にしてみてくださいね。
世界は日本食ブームが続いている
まず海外における日本食(和食)レストラン数をみていきましょう。結論からお伝えすると、着実に増加しています。
最新の農林水産省の調査結果から見える傾向によりますと、2006年以降の累積増加率は約8倍:15年で2.4万→18.7万店に拡大。
なかでも寿司は海外で高級レストランにカテゴライズされていて、日本の給与の2~3倍は稼げることもわかってきました。
地域 | 日本食の増減傾向 | 主な要因 |
---|---|---|
アジア | 約20%アップ | コロナ規制解除、日系チェーン拡大、日本食人気(農林水産省) |
欧州 | 約20%アップ | トレンド化とチェーンの伸長(農林水産省, 農林水産省) |
中南米 | 約2倍 | アニメなどポップカルチャーの影響と調査精度向上(農林水産省, 農林水産省) |
北米 | −約10%(2021時点)→回復 | コロナによる一時的減少後、徐々に回復傾向( 農林水産省) |
その他(中東・アフリカ等) | 横ばいか緩増 | 規模小さく変動緩やか |
このように世界中で愛されている日本食。コロナ渦において知ったアニメブームなども押して、日本の伝統を知りたい人はうなぎのぼりです。
これと対比して、いま最も深刻なのが「人手不足」。
おもてなしの精神や、寿司をよくわからない職人さんが海外では多く、日本人の需要は常に求められている状態です。
世界における寿司職人の給与は?
それでは、寿司職人の給与はどのくらいなのかを見ていきましょう。
このように、寿司職人は世界的に見ても高い水準です。高級店か否か、チップの有無や働き方(時給・月給・サラリー)などで幅が広いため、おおよその目安としてご参照ください。
地域 | 平均給与(現地通貨) | 推定年収(年率・USD換算目安) | 備考・出典 |
---|---|---|---|
アメリカ合衆国(全国) | $19.93/時 | 約 $40,000/年 | Indeed 集計 (Reddit) |
カナダ(全国中央値) | C$ 21.28/時 | 約 C$42,500 → 約 US$ 31,400/年 | Indeed 集計 (ca.indeed.com) |
イギリス(全英) | £13.68/時 | 約 £27,400 → 約 US$ 34,000/年 | Indeed 集計 (uk.indeed.com) |
オーストラリア | A$ 72,613/年(年俸) | 約 US$ 48,000/年 | Indeed 集計、更新日:2025年7月27日 (au.indeed.com) |
シンガポール | S$ 3,167/月(×12=約 S$ 38,000/年) | 約 US$ 28,300/年 | Indeed 集計(一般企業)、 |
2025年現在、19アメリカドル(USD)は約2,860円。ですので、海外ではかなり高額なのがわかります。
また正社員などになると、年収700万~1千万以上もの給与が期待できるのが、海外における寿司職人です。
「信じられない」と思うかもしれません。ですが、日本食の海外の評価は私たちが想像する以上であることは知っておくと有利です。
寿司職人は「資格なし」でもOK!
日本ではハードルが高い寿司職人ですが、女性が海外で寿司職人になることは十分に可能です。
性別や年齢に関わらず、技術と意欲、そしてコミュニケーション能力があれば、海外でのキャリアを築くチャンスはたくさんあります。
むしろ、日本の伝統的な寿司職人の世界よりも、性別や年齢の壁が少ない海外の環境は、女性にとって働きやすいと感じる人も少なくありません。
実際に、海外の日本食レストランでは、多くの女性が寿司職人として活躍しています。
資格は必要なし。でも面接で聴かれること
寿司職人になるための「国家資格」のようなものは、日本にも海外にもありません
ですが海外で働くためには、就労ビザが必要となります。
このビザを取得する際に、寿司職人としての技術や経験を証明する書類が必要になることがあります。
具体的には、以下のような点がPRとして必要です。
PR1.実務経験
多くの国では、就労ビザの申請条件として、「寿司職人として〇年以上の実務経験があること」が求められます。
これは、日本の寿司屋でアルバイトとして働いた経験でも構いません。もちろん、未経験者を募集しているなら必要ありません。
PR2.スキル証明
未経験者の場合、寿司職人養成学校の修了証明書や、そこで学んだ技術を証明する書類が役立つことがあります。
少し外れますが、調理師免許を持っている人は海外でも非常に有利です。
PR3.語学力
英語圏(オーストラリアやシンガポールなど)で働く場合、ビジネスレベルの英語力は必須ではありませんが、基本的なコミュニケーションができるレベルの英語力は、就労ビザの申請や面接で有利になります。
海外の転職に向いているのはこんな人
では、女性が寿司職人として海外を目指すにあたって、どのような人が向いているかを考えてみましょう。主にはこのようなタイプがおすすめです。
1. 好奇心があり、前向きな人
日本の伝統的な寿司職人の世界では、長期間の下積みが必要とされることがあります。
ときに似たような経験を海外でもするかもしれませんが、比較的短期間で寿司を握るチャンスを得られることがあります。
それでも寿司職人は日本の伝統食であり、きちんとした基礎を学習しなければなりません。ですので、こういった長期間の下積みも楽しみながら体験できる前向きなタイプがおすすめです。
2.新しいスタイルや文化に柔軟に対応できる人
海外では、現地の食材や文化を取り入れた「フュージョン寿司」が人気なこともあります。
伝統的な日本の寿司にこだわりつつも、現地のニーズに合わせて新しいメニューを開発したり、顧客の好みを理解したりする柔軟性が求められます。
このような海外の好みを積極的に感じとり、チャレンジできる人が海外での寿司職人には向いています。
3. コミュニケーション能力の高い人
寿司はときにカウンター越しで作る様子をデモすることもあります。
ですのでお客様と対話するような高級店では、作りながら楽しませるコミュニケーション能力が重要です。
完璧な英語でなくても大丈夫。
自分の意思を伝え、顧客と簡単な会話ができるレベルの英語力があれば、お客さまと一緒に素敵なひと時を演出できます。
笑顔や気配りなどのおもてなし精神がある人もおすすめです。
3. ストレス耐性があり、自立できる人
海外での生活は、日本とは異なる環境や文化、習慣に適応する必要があります。
ですので、変化を恐れず新しい環境に飛び込める人なら適しています。
また海外では、日本とは異なる厳格な衛生基準が求められることがあり、それらを遵守する責任感があればなお良しです。
海外で寿司職人になる!おすすめの学習法
寿司職人を目指すことはできるものの、やはり必要なのが準備。とくに海外で寿司職人を目指すなら、以下は必ずチェックしておきましょう。
- 寿司職人の知識を学ぶ
- 英語はある程度聞くことができ、話せることを目指す
まず、寿司職人ですがいろいろな決まりがあります。とくに以下は知っていないとNGになる手順です。
- 魚介類の仕入れ
- 材料の仕込み(魚をさばく等)
- 米飯を炊き、酢飯(シャリ)を作る
- 寿司を握り、お客様に提供する
- 包丁をメンテナンスする
これらを知っているだけでも、未経験者には有利につながることが多いです。
ですので、時間がある方はぜひ講座などで知識を得ておきましょう。
最近では無料の講座が適宜開催されていますので、ぜひ現場の雰囲気を体験してみてください。
また英語に関しては、普段英語を使っているのでしたら海外でも問題なく過ごせるでしょう。
ですが会話ができない、スマホが無いと難しいと言った場合には、やはり少し学習が必要です。
おすすめはオンライン学習です。講師と対面で話すことができるので、いざ現場で何か言われた際にも聞き取りができ、機転が利くようになります。
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寿司職人を募集している転職サイト
最近では海外で寿司職人を募集している情報をまとめた転職サイトも増えてきています。
当サイトではおすすめの転職サイトは以下の通りです。経験者の募集が多いですが、もしあなたが気になるなら、一度話を聞いてみてもいいでしょう。
おすすめ1.Washokujob
『Washokujob』は、和食関連の料理人/シェフ/店長・マネージャー/ホールスタッフなど、世界中の和食レストラン様向けの求人掲載サイトです。
経験者の求人がほとんどですが、未経験可、日本などでの求人も扱っています。
寿司職人も海外の求人が多いため、ぜひチェックしてみましょう。
詳しくはこちら → Washokujob
おすすめ2.ファインドシェフエージェント
無料会員登録をすることで、日本の食文化を世界に広める料理人の活躍の場を探索し、紹介するキャリアサポーターです。
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海外で働く人が挫折する理由とは?
このように寿司職人は海外で非常に需要が高いです。ですがチャレンジをしたものの、帰国する人が多いのも事実です。
そこで、ここでは寿司職人以外でも海外の転職で挫折する理由をいくつかピックアップしてみました。
海外転職で挫折する理由1.英語力の乏しさ
夢は大きいけれど、挫折の原因としてよく聞くのが「英語力」です。
実際、英語に対する不安は多くの人が感じることですが、私たちがなぜそこでつまずくのかを考えてみましょう。
まず、現場の空気を感じてすぐに返事をするには、たくさんの経験が必要です。ですが、日本に生まれて育ってしまうと、その経験がなかなか得られません。
ネイティブの早さに圧倒されて、自信がなくなり帰国してしまう。といったケースも少なくないようです。
海外転職で挫折する理由2.就労ビザや各種申請手続きの複雑さ
海外で働くための第一歩は、雇用主との雇用契約を結ぶことです。この契約があることで、雇用主があなたのビザ申請の保証人となります。
しかし、採用から入国までのプロセスは多くの段階を経る必要があり、複雑で時間がかかる場合もあります。なかには、数ヶ月かかるケースも珍しくありません。
とくに海外のレストランを経営するオーナーは、日本=海外からやってくる寿司職人に就労ビザを発給する立場です。
つまり、多額の税金を政府収める必要があるのです。なので日本から来る寿司職人に対しての審査もやや厳しい点があるでしょう。
準備を怠ると採用が決まっても、このビザ申請でつまずきやすいため、泣く泣く帰国する、と言ったケースも増えています。
海外転職で挫折する理由3.文化・食習慣・宗教感の違い
海外転職は新たな挑戦でワクワクするかもしれません。ですが、文化・食習慣・宗教感の違いによって挫折することも少なくありません。
たとえば、ある国ではオープンに意見を述べることが良しとされ、別の国では控えめであった方が評価される場面もあります。
また宗教感の違いも影響を及ぼします。
宗教が従事する時間や価値観に影響する場合、理解を得るのが難しくなることがあります。このため、環境に馴染むことが大変になり、徐々に孤立感を感じ帰国する、といったこともあります。
海外転職で挫折する理由4.孤立感やホームシック(精神的な孤立)
日本と違い、家族や友人とすぐに会えない距離に長く住むのが海外転職の大きな魅力です。
ですが最初は楽しかった異国の生活も長くなると、孤独感がしだいに募ります。とくに現地で相談できる日本人、シェフ仲間との関係が希薄な環境だと、緊急時・モチベーション維持が難しい場面もあります。
これらを回避するには、日本人がいるシティ(例:ニューヨーク、ロンドン、シンガポールなど)で転職活動をする。または、現地日本人コミュニティや商工会に参加して支援ネットワークを確保するといったことも視野にいれて準備を進めた方がいいでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。寿司職人についての海外転職についてまとめました。
海外に進出したいのに、二の足を踏んでいる人は多いかと思います。ですが寿司職人としてのスキルを身につければ、海外で高時給の仕事に就くチャンスが広がります。
問題は「スキルをどのように修得し、海外で生き残れるか」という厳しい視線を自分に向けなければ生き残れない点です。
ですが、これはどの仕事においても同じかもしれません。
海外の転職は確かに厳しい点が多いです。ですが文化を学びながら新しい土地での生活を楽しむことができ、人生を豊かにする経験にもつながります。
異国の地での経験は、あなたの人生をさらなる高みへと引き上げるでしょう。
また寿司職人からいったんハードルを下げ、客席の仕事から始めるという方法もあります。
勇気を持って第一歩を踏み出し、寿司職人としてのキャリアを築くことが未来に彩りを加えるかもしれません。
ぜひ夢を実現し、素晴らしい人生を手に入れましょう!